2010年12月19日日曜日

リトアニアのクリスマス

先日、リトアニアからのお客さんとの会話の中で、街のイルミネーションを
眺めながら自然と上がった話題は、お互いの国のクリスマスについてでした。
リトアニアのクリスマスは宗教色が濃く、例えばイブの食卓にも、古くから
伝わる伝統的なしきたりや意味がたくさん込められているようです。

私も、リトアニアの方々がどのようなクリスマスを過すのか、とても興味が
ありましたので、ここに少しご紹介させていただきたいと思います。^^
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「Kucios」 
これは、クリスマスに用意されるリトアニアの特別な料理です。
クリスマスが近づくと、イブの夕食に間に合うように、遠方の家族
達も方々から帰省し、食卓の前に家族の絆を確認し、このkucios
をみんなでいただくというわけです。
日本のクリスマスは、イルミネーションやプレゼントなど、お祭り的
要素が強いように思いますが、本来はイエス・キリストの生誕を祝
うためのこの行事は、リトアニアに限らず、キリスト教を信仰とする
国々にとって、宗教的な意味合いが強いようです。

kuciosには一切のお肉が入りません。
クリスマスイブを迎えるまでに、人々は部屋中を大掃除し、ベッドリネン
を真新しいものに取替え、イブの食卓に付く前に、家族全員が
お風呂を済ませ、きれいな服に着替えます。
イエスが誕生した馬小屋を象徴するわらが、まずテーブルの上に
平らに敷き詰められ、その上に、純白のリネンがテーブルクロスと
して掛けられ、お皿、キャンドル、モミの枝、お花などで装飾されます。

もしもその年に、家族の誰かが亡くなったり、なんらかの理由でkuciosに
参加できなかった場合は、その人のために空のお皿が用意されます。
姿は無くとも、その人の魂が他の家族とともにそこにあると信じられて
いるからです。

食卓には12種の料理が用意されます。これは、イエス・キリストに12人
の使徒がいたことに由来します。
全ての料理には一切肉を使用しません。
これは12種の料理の一つ、kuciukai というクッキーのような食べ物。
kuciosに欠かせない伝統的な料理です。ポピーシードミルクと呼ばれる
ケシの種から作られたミルクに浸していだだくようです。

これは食卓を囲む人数分ほど置かれるGod's Cakeと呼ばれるウエハース。
特定の地域ではこれらが、それぞれの教区から支給され、表面にはイエス
誕生のシーンが描かれています。

この特別な食事の意義、また食卓に出された料理を文句を言わず食べる、
という教えを通じて、子供達は食事への感謝の気持ちを学びます。

イブの夜、夜空に一番星が現れると、家族は食卓に集まり儀式を交わし、
家族の健康と幸せを祈ります。
食事は厳粛に行われ、会話やジョークはほとんどなされず、アルコールも
飲まれません。食事の後も席を離れることはなく、来年の家族の健康、
幸せ、また恋愛などについて占いながら、ゆっくりとした時間を過します。
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リトアニアのクリスマス。今日はクリスマスの食卓について紹介させて
いただきましたが、日本のクリスマスと違い、とても意味深いもので
あるということがお分かりいただけたかと思います。
また、こんなところにも、リトアニア文化とリネンが深く関わっている
ことを知り、私自身も、また一つキラキラと輝く宝物を見つけた気持ち
でいっぱいです。^^

今では、ここまで厳粛にクリスマスを過す方も少ないようですが、
リネンキッズのスタッフのご家庭でも、イブの夜は一切の
お肉を食べないなど、今もなおこの伝統を引き継いでいるようです。

あるスタッフは、自分の母親が家族を持ったときに、そのまた母親から
譲り受けた白いリネンのテーブルクロスを、今でも毎年クリスマスのために
使っているとか・・・
それはもう古く、決して真っ白とは言えないけれど、今でもこの特別な日のために
大切に使っているのだと・・・

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